2006 11 17 Fri
るう゛ぃえ 知恵の実の擬似描写@渋谷O-WEST




「超楽しかった!」と、終演後にキラキラできる様な、そういう類のライブではなかったです。でも、良いライブだった。とても良いライブだった。遠征して良かったよ。
自分でも、何でこんなにるう゛ぃえが好きなのか解らないんですけれど。何で遠征しちゃう位いきなりこんなにも好きになっちゃってるのか、本気で解らないんですけれど。でも、今回のライブで解った事が一つだけある。

私、てまりがいたらもうそれでいい。


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「ようこそO-WEST!  一日千秋の思いで待ち望んだ今日この日、遂にやって来ました」

って、出てきた瞬間からたまんないこの人。

とりあえずライブ中に私が一体何回「てまり可愛い」と呟いたか知れません。
恋せよ乙女で手をぶんぶん左右に振り回したり、煽ってる時にちょろっと衣装の隙間から白いお腹が見えたり、歌詞間違えたのに気付いた瞬間歌うのをやめて頭抱えてうずくまるといったステージングに変えちゃったり、てゆーか歌の途中にぺたんと乙女座りしちゃったり、何故か曲中近づいてきたつばめに対してたっっぷり溜めをつけた後におでこをつんってしたり---
ああもう可愛いかわいいかわいいかわ(ry
しかもお前、しかもお前さ、

喋 る と べ ら ぼ う に 可 愛 い の よ 。


考えてみると今までイベントにしか行った事がなくて、良くて主催だけどほとんどMCの時間もなくて、だから今回初めてと言って良いほどこんなに喋るてまりを見た訳です。
てってってってってま様! てま様、私が愛してやまない日記のどうしようもない文章そのままで喋ってる! ギャアアアアくるくる周りながら今そこで私の目の前でてまりが!!!


「ようこそO-WEST。いいね素晴らしいよねO-WEST。
 僕達にとって、WESTでのワンマンは特別なもので、
 それで僕なんかは古い人間だから、
 昨日は今日の為にと、髪を切ったり染めたりしたんですよ。
 美容院の帰りに用事があったから、そのまま出かけたの。
 でも、電車降りて駅に着くと、雨が降ってた。
 もちろん僕、傘持ってない。
 その目的地は、駅から歩いて10分ほどの所だった。
 どうしよう、歩いて行こうかな。
 でも髪の色、落ちちゃう......
 そう思ってとりあえず近くのコンビニに逃げ込んだんだ。
 それで傘を発見したんだけど......

 504円だった。

 正直ためらった!
 どうしよう!このまま行くか?
 でも、髪の色....

 買う事にしました。

 で、財布を覗いてみると、そこには一万円札が一枚。
 そう、久し振りに財布の中に入れたゼロ4つのお札が!
 まだ二日くらいしか僕の財布の中にいないこの一万円札が!

 つかいたく、ない....

 これでね、お腹が空いてたり喉が渇いてたりすれば
 何なりとそれ相応の物を一緒に買う事も出来た。
 でも僕あいにくお腹も喉も、さほど、ダメージ受けてない.....

 さあどうするんだ僕。
 このまま雨に濡れて歩いていくのか!
 それともこの一万円札を崩してしまうのか!

 どうする僕!

 どうするの!!


 .......。


 買っちゃった。



 もう崩しちゃったらいいやーと思って、
 結局その後コンタクト買ったりCD買ったりしちゃったけど。

 そんな思いで、今日のO-WESTに臨んでいます」




これを口頭で言うんだぜあの男!
ぎゃあああリアル一人称僕きたあああああ。
かかかっっかかかかわいい! かわいい!!!
しかも随所に挿入される、「ケヘヘヘッ」という笑い声がもう無茶苦茶きもかわいいんですけど。ててててててま様、あなたはどこまで私のツボに入れば気が済むのですか...!!!



そう言う訳で放っておくとてまりだけを見つめ続けて2時間半とかになりかねなかったので、一応周りも見る事にする。
一番最初に耳につくのは、やっぱりけいとのドラム。「あ、面白い事してるなぁ」っていう、ファン受けというよりバンドマン受けに近い感じで笑。楽しそうに叩いていたのが、とても印象的でした。楽しそうにドラムを叩く子が好きよ。
優様は怖すぎます。表情一つ変えず汗一つかかず淡々とギター弾いてるの、怖い。一樹はキラキラニコニコしながら、何故か小指噛んでるし相変わらず空気読まずウインクするし。でもギターソロでこける辺りが流石すぎます笑。で、つばめがとても良かった。ピック投げ捨てて指弾きに入るところなんかとっても格好良くて、うっかりB専の血が騒いだ。

ドラムソロからの楽器隊セッションが本編中盤に挿入されていて、それが皆本当に楽しそうだったなぁ。正直、ああいうのを見ると、本気で羨ましくなる。あの空間だけは、演奏者側にしか味わえない楽しさだもんなぁといつも思う。でもその空間にさ、今にも届きそうな感じが、ライブの楽しさだと思うのね。その届きそうで届かない距離感が。
はっきり言って、るう゛ぃえは客席との距離感を取るのは下手なバンドだと思います。皆でニコニコしたいのか、ガガデゴーイ!なのか、それともその世界に圧倒されて欲しいのか、それがステージから掴みづらい。
ただ、本編後半で演奏された「Dona」。珍しく逆ダイループのある曲で、普段はあまり客席に直接煽りにはこないてまりが、この時に、一度だけこちらに手を延ばした。

そこに伸ばした私の手がまさにそれだ。
すぐそこなのに、届かない。
届きそうで、届かない。

ああそうだ、この感覚だと思った。


最近なんかもうしんどくて逆ダイ始まったらそこから離脱しちゃう。それは、そのしんどさに耐えてまでステージに手を伸ばしていたいと思わないからなのだけれど、別にそれはそれでいいと思うの。そういう距離感もある。ただ、多分今の私に足りなくて、今の私が求めているのは、これなんだ。まるで押しつけるかの様に、その世界観で圧倒して欲しいのだ。その世界にどうしようもなく惹かれ、手を伸ばさざるを得ない程に惹かれ、それでも決して届かない事を思い知る。思い知らされる。それこそが私が今求めている距離感なのじゃないかなと、そう思った。だから、それを感じてると実感出来たその瞬間が嬉しくてね。すっごい嬉しくてね。だからもう、てまりがいたらいいと思ったの。今日のライブはそれで十分だとすら思った。






けいと脱退のくだりは、皆実感が湧かないまま、という雰囲気がありました。終わって、失って、時間はもう戻らないのだという事すら、時間が経ってからしか気付けない。そんなものだよなぁ。
インストアですら滅多に喋らないらしいけいとも、流石にこの日だけは良く喋って。ただ、私の頭はやたらにクリアで、心が動く事もなく、さっきまで妙な上がり声でメンバーの名を呼んでいた後ろの子の漏らす嗚咽を聞きながら、「泣き女みたいだ」とすら思っていた。寧ろ、その声を聞いて「そんな泣くなって。僕も、もう、胃が痛いよ...」とのたまうてまりの方に心が動いた。だって、お前が泣きそうじゃん。


本編は、何だか中途半端に終了。




アンコールで、てまり以外が出てきて、何だか和みムード。

優  「こういうの、けいとは嫌がると思ったんだけど、
    実はプレゼントを用意してまーす」
けいと「知らないふりだよ」
優  「あ、そう。スタンバイしてる人ー!
    プレゼントやっぱりいらないそうでーす!」
けいと「嘘うそ! 知らないって!!笑」
優  「じゃあ監督、お願いします」


え、裏でスタンバイしてるのって、てまりじゃないの? とか思ってたらスタッフさんらしき方が登場して、楽器屋の袋そのままにけいとにプレゼント。


優  「けいとが欲しがってたスプラッシュだよ」


嬉しそうにスプラッシュを早速装着して試し打ち。嬉しそうだね、けいと。あんた、ほんとにドラム好きなんだね。
と、ここで漸くてまりが登場。


てまり「あのさ。さっき本編終わって裏に戻ってね、
    そこで皆が『プレゼントがないっ』って騒いでるの。
    だから皆先に出ててよ僕探してくるからってさ、
    ちょっとだけ学生時代の運動神経を復活させて、
    上の階にある楽屋までね、
    階段三段とばしくらいで行った訳。
    そこでもまだないなーって探して、
    ふとモニター見たら----これだよ」
優  「...........(そっぽ向き)」
てまり「休みたかったから後に出る事にしたのに、
    余計疲れたよ...。
    まぁ、無事に手渡しできたならいいや。
    って何? もう使うの? ありがたみないなぁ笑」



5人でやる曲はもう残り僅かだけどって、優だかてまりだかが言っていたけれど、多分それを実感出来るのは、ドラムが実際に変わって、それを耳で目で体で味わってからだ。勿体ないだとか寂しいとか、そんな事すら思えない。

だから、右手にナイフを左手に君の手を、と歌うてまりを朦朧と見つめている。


「今日、みんなCD貰った? ちゃんと貰った?
 駄目だよ、ただの円盤だーって飛ばしたら笑。
 これはけいと作曲の曲でね。
 でも、だからこそあえて今日はその曲はやりません。
 この曲を聴いて初めて、今日のライブは
 完結する仕掛けになっています。
 家に帰って、聴いて、それから確かめて下さい。

 もう、大分寒くなってきて---
 吐き出す言葉も濁ってしまうくらい、
 もうね、空気が澄んできているんだ。
 次の季節を迎えようとしているんだけど。
 あれだよねもう暦の上では冬なんだよね?

 ---って駄目だ。これまた長くなるな。
 もう4年目だよ僕? 学習しようよ!

 次も新曲で、バラードなんだけど、
 また例によってるう"ぃえの悲しい曲。
 冬に、良く合う曲です。
 聴いて下さい」



アルバムに入る予定の曲なのかしら。季節に例えるなら冬、色に例えるなら青、空気冷えて澄み切って感じる様な、それが私がるう゛ぃえに感じるイメージなのだけれど、まさにそんな歌でした。

  きみは まぼろしをみているの?
  ぼくも まぼろしをみているの?







ダブルアンコール。

てまり、登場するなりドラムセットの台に座り込む。
うちまたのてまたそちょうかわいい!(はいはい)


「ここで、アンコール有り難うって言っておこうかな。
 あ、座りながら話してもいい?
 ごめんね駄目な人間で笑。
 余り普段は僕、ありがとうって言わないんだけどさ。
 いや、そりゃ普通には言うよ? そこはね?笑。
 でも今日はメンバーにも、ここに集まってくれた皆にも、
 全員にありがとうを言いたいです。
 ありがとう。
 
 るう゛ぃえっていうバンドは、
 楽しい事ばかりじゃなくて、辛い事や悲しい事や、
 そういうものも、歌の中でも伝えたり
 一緒に共有できるバンドであると思ってるんだけど---
 あり? なし?(メンバーに確認する様に)

 今日のWESTワンマンは、
 実は凄く前から決まってたんだよね。
 4年目にはWESTでって。
 今日という大切な日は、るゔぃえが4周年を迎えて、
 同時にけいとが脱退するという、楽しいだけじゃない日で。
 そんなとても大切な日を、
 皆と共有できた事を嬉しく思います。

 次の曲の歌詞の一節に、
 今日僕が伝えたい事は全部含まれています。
 もう大分喉も潰れちゃって、聞き苦しいかも知れないけど、
 精一杯歌うので、聴いて下さい」



最後は星屑で。

綺麗だなぁ。やっぱり、綺麗だ。
幻だからこそ綺麗なんだ。




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 set list

恋せよ乙女
gaze
片足のビアンカ
アンヴレラ
Primitive moon light
体温
翅に降る唾
Parfait
セッションとメンバー紹介
エンゼル・ハイロウ
ロマネスク
Dona
ripper
Rainy marry

 En1.
パラダイス・ロスト
水中箱庭
新曲

 En2.
星屑


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それから配布された曲を聴いて、どことなくFatimaのFortuneを思い出したのだけれど、まぁそれは私が可哀相なダウナーだからですハイ(平謝り)
悲しげで、でもその先に希望が見える様な、そんなるう゛ぃえの世界をどうぞご堪能あれ。
ただいまの言葉を、待ってなきゃなぁ。


今は亡き砂上の楼閣